アルツハイマーと認知症

アルツハイマーとは

認知症というのは、知能のはたらきが低下した状態をいいます。正常な社会生活を営むことが困難になる病気です。老人期の認知症として問題になるのは、次の4つです。

●アルツハイマー型認知症
●クロイツフェルト・ヤコブ病
●ピック病
●コルサコフ症候群

アルツハイマー型認知症で最初に現れる症状は、ひどい物忘れや記憶の混乱です。また、場所がよくわからないといった症状も現れ、徐々に、物事を認識できなくなる、言葉がわからなくなるなどの認知症症状になり、死に至ります。根本的な治療法は現在のところありません。

1907年にドイツの精神医学者であるアルツハイマーが、進行性の認知症を特徴とする51歳の女性患者の症例を報告したことから、「アルツハイマー型認知症」と呼ばれるようになりました。

アルツハイマー型認知症では、大脳の萎縮や神経伝達物質の変化などが見られます。神経伝達物質というのは、アセチルコリン、カテコールアミン、セロトニンなど、神経細胞から出される信号を伝達する化学物質をいいます。このことから、老人斑、すなわち、アミロイドと呼ばれる色素たんぱくが脳に沈着したものや、神経原線維変化などの生化学的研究から、生物学的に原因をつきとめようという研究が行われているところです。ただし、原因はいまだ特定されておらず、本格的な解明にはまだしばらく時間がかかりそうです。

アルツハイマーについて

「アルツハイマー」について書かれた

All About ガイド記事の一覧

http://allabout.co.jp/
アルツハイマーに関する情報

症状チェックと対策法

老年医学

http://www.dmoz.org/
アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマーに関する記事

ウィキペディア(Wikipedia)

http://ja.wikipedia.org/

アルツハイマーの症状

アルツハイマー型認知症には、さまざまな症状が現れます。

記憶障害
まずは「物忘れ」つまり記憶障害から始まります。何度も同じ質問をしたり、大事なものをどこにしまったのか忘れて大騒ぎしたり、また食事をしたばかりだというのに何を食べたのか、さらには食べたことすら忘れてしまうこともあります。そしてまたすぐに食事を要求するといった症状です。比較的最近に起こった事柄の記憶が失われます。
さらに、現在自分が置かれている状況がわからなくなる、ということもあります。自分が今、どこにいるのかわからない、今日は何日なのかわからない、目の前にいる人が誰かわからない、といったようにです。

被害妄想
記憶障害から被害妄想が強くなることもあります。たとえば、食事をしたことを忘れてしまうため、家族が自分にだけ食事をさせてくれないと思い込んでしまうのです。

身体的症状
アルツハイマー型認知症の症状には、記憶障害や被害妄想傾向以外にも、身体的な症状が現れます。目立つ症状は、頭痛、めまいなどの心気症状、失語、失行、失認などの見当識障害などです。さらに進行すると、歩行障害や失語症状がひどくなり、日常生活に支障をきたすほどになります。失語とは、聴覚や発生機能に異常がないのに言語の理解や発声が障害されていることをいいます。失行とは、運動障害をもたらす器質的な病変がないにもかかわらず行動が正しく行われないことをいいます。失認とは、本来認識すべき対象に対して正常な意味理解ができなくなることをいいます。

道徳観や清潔感が失われ、性的に問題のある行動が見られることがあります。また、場所をわきまえずに排尿するといった行動も生じます。夜間に幻覚をみることがあり、夜中に部屋のなかを歩き回ったり、大声をあげて、家族の生活にも大きな影響を及ぼすことがあります。

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生活上の注意点

人は、誰でも歳をとると、多少は記憶力が衰えることはあるものです。しかし、それが生活に支障をきたすようになると問題となります。

認知症症状が生じた場合、その進行を止めることは無理でも、生活への支障を最小限にとどめるための幾つかの生活上のアドバイスがあります。また、これらの症状の発生を予防するためのアドバイスとしても参考になると思います。

認知症の直接的な原因は、現在のところはっきりしていませんが、からだの病気や環境の変化などをきっかけとして生じることが多いといわれます。会社を定年したり、入院をしたりして、生活が急に変化したりすると、認知症になりやすくなります。したがって、普段から自分の健康に留意することが重要なことはもちろん、仕事以外にも趣味や人間関係を広げるなど、生きがいをもつことが大切です。またそのような環境を整備しておくことも必要でしょう。これには本人はもちろんのこと、家族や地域社会全体の理解と協力が必要です。

家族が認知症になると、本人だけでなく看護する側も大きな負担を強いられることになります。しかし看護や周囲の配慮の仕方のよしあしがご本人の予後を左右するのですから、出来る限りのことはして差し上げたいものです。では、周囲はご本人のためにどのようなことができるのでしょうか?

いちばん大切なことは、規則正しい睡眠とバランスのとれた栄養を取れるようにしてあげることです。また、病気が進行すると、寝たきりになったり、失禁を起こしたりすることがあります。そのため身辺を清潔に保てるように配慮してあげてください。そのうえで、周囲から知的な刺激を与えてあげることも大切です。また適度な運動も刺激になり、効果的なリハビリとなります。

リハビリは、病気の予防、治療と並び、第3の医学といわれるほど重要な役割を担います。リハビリの目的や正しいやりかたを家族や地域社会が理解することで、ご本人の生活の質を落とすことなく、生きがいのある生活を送らせてあげることができると共に、家族だけが心身の負担を負わずにすむのです。

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アルツハイマーの治療法

アルツハイマー型認知症は、現在のところ根本的治療もないのが現状です。そのため対症療法が中心となります。

激しい精神的興奮が見られる症状に対しては、向精神薬を使用します。また夜中に騒ぐ患者さんに対しては、入眠剤を用いることもあります。抗うつ薬の使用が有効なこともあります。最近は、脳内アセチルコリンの研究が進むと共に、老年認知症に対してコリン作動性薬物やコリン前駆物質を投与するなどの治療が試みられています。

コリンというのは、神経と神経のつなぎめ、神経と筋肉などの組織とのつなぎめの部分で、情報を伝達する化学物質のひとつです。アルツハイマー型認知症やその他の認知症でとくに記憶障害が起こるのは、このコリンによる神経間の連絡が絶たれることが原因と考えられています。そこでコリンの生産を促す薬、コリンの原料となる薬が、認知症の記憶障害などに有効なのではないか、と研究が進められているのです。

アルツハイマー型認知症をはじめとする認知症の知的機能を改善することはできなくても、副次的な症状の一部を改善することで、人間らしい生き方ができるようになります。これはご本人だけでなく、ご家族の方々にとっても必要なことであり、意義のあることです。

しかしまだ充分な治療効果は上がっていないのが現状です。そのため、家族をはじめとする地域社会全体がご当人の症状を理解し、進行を進めないように力を尽くし、リハビリを継続することが大切となります。リハビリによって進行を食い止めることはご本人の苦しみだけでなく、家族の負担を軽減する重要な方法でもあるのです。

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その他の認知症

老人期の認知症として問題になるものは4つあります。アルツハイマー型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、ピック病、コルサコフ症候群です。アルツハイマー型以外の認知症はどのようなものなのでしょうか。

●クロイツフェルト・ヤコブ病

多くは50歳代に発病し、いろいろな精神症状を示しながら急速に認知症化します。遅発性ウィルス感染症とか、プリオンという新しい病原体によるとする説が強く、感染症の一種と考えられています。プリオンというのは、細胞がつくるたんぱくが変異したものです。クロイツフェルト・ヤコブ病の原因は、長い間不明でしたが、最近、プリオンと呼ばれる、ウィルスよりも小さな病原たんぱくが原因であることがわかったのです。クロイツフェルト・ヤコブ病では、大脳や小脳に特徴的な海綿状態がみられ、1,2年で死にいたります。

●ピック病

大きな人格の変化が特徴です。それまで穏やかだった人が、家庭や勤め先で無分別な行動を起こしたり、他人に迷惑をかけることが平気になったりして周囲の人たちを驚かせます。また、注意力が散漫になり、他人の質問に真剣に答えようとしなくなったり、物事を覚えようとする意欲がなくなることから、表面的に記憶力が低下したように見えます。しかし、記憶力と見当識はほとんどおかされていません。ピック病には、側頭葉の萎縮、脳室の拡大など、脳に特有の異常が見られるので、独立した遺伝が関係する病気と考えられることも多いようです。

●コルサコフ症候群

別名、健忘症とも呼ばれます。病的な原因によって、過去のことを思い出せなくなったり、自分のいる場所や日時がわからなくなったりします。これを記銘障害と呼びます。そのため、作り話をしてつじつまを合わせたりといったことが症状の中心となります。慢性アルコール中毒、一酸化炭素中毒、脳腫瘍、脳炎などでもみられます。原因となるのは、脳の障害です。特に記憶障害と関係の深い乳頭体や間脳・中脳領域が損傷されるためと考えられています。原因となった病気によって経過は異なります。一般に高齢者では予後は悪くなります。

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